減価償却とは?個人事業主向けに基本をやさしく解説

減価償却固定資産個人事業主青色申告

「仕事用にパソコンを買ったのに、全額を今年の経費にできないと言われた」——高めの買い物をした個人事業主・副業の方がよく戸惑うポイントです。この記事では、減価償却の基本的な考え方を、専門用語をできるだけ抑えてやさしく整理します。

減価償却とは何か

減価償却とは、長く使う高額な資産の購入費用を、使う年数に分けて経費にしていく考え方です。

パソコン・カメラ・車・機械設備などは、買った年だけでなく数年にわたって事業に役立ちます。そこで、購入した年に全額を経費にするのではなく、資産の種類ごとに決められた「耐用年数」で分割して、毎年少しずつ経費(減価償却費)として計上します。

  • 目安として、取得価額10万円以上で1年以上使う資産が減価償却の対象になります
  • 10万円未満のものは、通常は消耗品費などとしてその年の経費にできます
  • 耐用年数は資産の種類ごとに法令で定められています(例: パソコンは4年)

対象になるかどうかの判定や耐用年数の詳細は、資産の内容によって異なります。最新の情報は国税庁サイト・税理士にご確認ください。

少額減価償却資産の特例(青色申告・40万円未満に拡大)

「10万円ちょっとのパソコンを何年もかけて経費にするのは面倒」という場合に知っておきたいのが、少額減価償却資産の特例です。

  • 青色申告をしている事業者が対象
  • 2026年(令和8年)4月1日以後に取得した資産は、取得価額40万円未満まで購入した年に全額経費にできる(令和8年度税制改正で30万円未満から引き上げ)
  • 2026年3月31日以前に取得した資産は、従来どおり30万円未満が対象
  • 年間の合計額は300万円までという上限があります
  • 適用期限は2029年(令和11年)3月31日までの取得分とされています

この特例を使うと、一定額までの資産はその年の経費として処理でき、帳簿づけがシンプルになります。ほかにも、10万円以上20万円未満の資産を3年で均等に経費化する「一括償却資産」という選択肢もあります。

金額基準は「いつ取得したか」で変わる点にご注意ください。特例の要件・期限の最新情報は、国税庁の案内や専門家への確認が確実です。

個人事業主の原則は「定額法」

減価償却費の計算方法には「定額法」「定率法」などがありますが、個人事業主の原則は定額法です。

定額法は、取得価額を耐用年数で割って、毎年ほぼ同じ金額を経費にしていく方法です。たとえば20万円のパソコン(耐用年数4年)なら、毎年5万円ずつ経費にしていくイメージです。

  • 計算がシンプルで、毎年の経費額が読みやすい
  • 年の途中で買った場合は、その年は使った月数分だけを計上します
  • プライベートと共用する資産は、家事按分の考え方で事業分だけを経費にします

白色申告と青色申告での違い

減価償却の基本的な考え方は、白色申告でも青色申告でも共通です。ただし、次のような違いがあります。

  • 少額減価償却資産の特例(2026年4月以後の取得は40万円未満)は、青色申告の事業者が対象
  • 白色申告では、10万円未満の少額資産や一括償却資産などの扱いが中心になります

高めの機材をよく買う事業なら、この特例だけでも青色申告を検討する価値があります。複式簿記の基本は複式簿記とは?の記事で解説しています。

固定資産台帳で減価償却をラクにする

減価償却で大変なのは、資産ごとの耐用年数・償却額を毎年管理し続けることです。買った年だけでなく、翌年以降も忘れずに減価償却費の仕訳を入れる必要があります。

KS経費&売上管理の固定資産台帳を使うと、資産を登録するだけで減価償却の仕訳を自動作成できます。

  • 取得日・取得価額・耐用年数を登録すると、毎年の償却額を計算
  • 年末の減価償却費の仕訳を自動で作成し、し忘れを防げる
  • 資産の一覧が台帳として残るので、申告時の確認もスムーズ

日々の記帳はレシート読み取り(OCR)、記帳の流れは使い方3ステップも参考にしてください。

まとめ

  • 減価償却は、10万円以上の資産を耐用年数で分割して経費にする考え方
  • 青色申告なら、一定額未満の資産を一括で経費にできる特例がある(2026年4月以後の取得は40万円未満・年間合計300万円まで)
  • 個人事業主の原則は定額法で、毎年ほぼ同じ額を計上する
  • 特例の使いやすさなど、白色申告と青色申告で扱いに違いがある
  • 固定資産台帳に登録すれば、減価償却の仕訳を自動作成できる

制度の詳細や個別の判断は、国税庁サイトや税理士など専門家にご確認ください。まずは手元の資産を一覧にして、減価償却が必要なものを洗い出してみましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。具体的な判断は税理士等の専門家や所轄の税務署にご確認ください。

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